企業・団体様へ

学ぶ 木材の色

木材の色は、さまざまな原因によって変化します。



スギ染色木材:人工的に調色された木材

  日本では昔から建築材、家具材、什器など日常生活の分野で、木材製品が多く使用されています。そのため、木材の色や木目が大切にされてきました。
 しかし、美しい色調を持つ木材も、変色を引き起こし、美的価値が低下します。変色の要因は、生物的なもの、化学的なもの、物理的なものなどさまざまです。
 たとえば、木材は光に当たると変色します。その原因は樹種によって異なります。光が当たるに従って色が濃くなる材、反対に色あせていく材など、色相、彩度、明度がいろいろ変化します。 これは、木材に含まれている物質が光によって変化し、変色の原因になっていると考えられており、光変色原因物質がいくつか見いだされています。

 また、微生物による汚染によって変色する材もあります。これは微生物自体の色や、菌の分泌物と木材成分との反応などのために変色するもので、青や赤などの色に変化する例が報告されています。
 木材腐朽菌などによる汚染では、茶褐色、灰褐色などに変色します。また、熱などによって色が変わる材もあります。生材を人工乾燥させるとき、温度が高いと材面が変色します。それは、木材に含まれているフェノール成分やヘミセルロースが、熱などの働きによって空気中の酸素と反応したり加水分解したりして着色物質に変わることが原因です。
 このほか、くぎや治具(ジグ)などによる鉄汚染や、塗料による酸・アルカリ汚染なども報告されており、木材を加工する時には、細心の注意が必要です。最近では化学的に木材を着色する技術も研究され、目的にあった色調をつくり出すことも可能になっています。